真夜中の機械音

あ、来た…。

頭がまた勝手に作動し始めた。無駄に思考し始めやがった。

今、一体何時だと思ってやがる。

アーデモナイコーデモナイアーデモナイコーデモナイ…って、うるさいよ馬鹿野郎!

考える必要のないことを考えてどうなる!無理に課題を拵えるな!無闇に我がの存在を主人であり上司でもある私にアピールしようとするな!お前、そんなことじゃあいつまで経っても出世できないよ。

無駄だねえ…。

馬鹿だねえ…。

お前がそこにいるのはよくわかった。わかったから、とっとと切り上げてくださいよ、本当に。

堪忍しておくんなはれや…。


或る悟り

「怒」な女の人が死ぬほど嫌いで、「哀」な女の人が吐くほど好きだ。
笑っている。でも、どこか泣いている…といった感じの女の人が吐くほど好きだ。

仮にここに、二人の「哀」な女性がいたとする。
当然ながら、私にとっては二人とも非常に魅力的で、甲乙付け難い。ただ、唯一異なる点として、Aさんにはめちゃくちゃ性欲を感じるが、Bさんには全く感じないとする。

この場合、私が心から好きなのは、心から求めているのは、どういうわけだかBさんなのである。

別に、頭で考えてそうなるわけじゃないし、そうなってきたわけじゃない。ただ、私の場合、確実にそうなるし、事実、そうなってきたわけだから、この先もきっと、そうなるに違いないのである。
だからこそ、「あなたとヤりたいです!」という言葉こそが、告白の言葉として、最も純粋な言葉のように、私には思えるのである。

この感じ、わかっていただけるだろうか。ま、別にわかってもらいたいとも思わんが…。


「let’s rock!」は魔法の言葉

私、思うに、我がバンドbutterflyに於いて、一番大人なのは一番年下のティムで、一番子供なのは一番年下ではない私である。

ティムは、非常に情熱的な奴だが、基本的には紳士的で落ち着いている。一方私は、やれ、これが好きだ。やれ、あれは嫌いだ。やれ、あんなのはゴミだ。やれ、ロックンロールしかないぜ。みたいなことばかり言っている。

私とティムが熱っぽく話し始めると、小松は通訳に追われ、剣吾くんは微笑を浮かべながら、全体の状況を見守っている。

最近、ティムから私へのメールが、「let’s rock!」というフレーズで締めくくられていることが多くなった。今日、届いたメールもやはり同じフレーズで締めくくられていた。

「あ、俺との関わり方が掴めてきよったな」と思って、笑ってしまった。


ヴォーカリスト宣言

ウ゛ォーカリストかぁ…いいなあ…マイク一本で勝負するんだな…言葉と声と感情と…やっぱウ゛ォーカリストだよな!

私はギターが下手である。本当に下手である。めちゃくちゃ下手なのだが、自分の弾くギターが決して嫌いではなかった。私より全然上手いけど、私より全然良くないギタリストを数多く見てきた。だから今回、ギターをティム&小松の凄腕コンビに任せて、自分はウ゛ォーカルに転向するということは、凄腕に任せるとは言え、私にとって一大決心と言えば一大決心であった。

しかしながら、気合の一歩を踏み出してみたら、なんてこたあない。私は今、自分がウ゛ォーリストであるということが嬉しくてたまらない!どうやら私は、馬鹿だから、今まで全く自覚して来なかったけど、ずっと、ウ゛ォーカリストというものに憧れてきたらしい。
「自分の曲は自分のギターに限る!」という鼻持ちならない考え方に縛られて、ある意味では、ウ゛ォーカリストになることを諦めていたのかもしれない。でも私は、本当は、ずっと、ウ゛ォーカリストになりたかったらしい。私にとって「ウ゛ォーカリスト」は、高嶺の花的なものだったのかもしれない。

私は遂に、高嶺の花を手に入れたんだな。

ああ、本当に素晴らしい!

え?私が今一番欲しい物ですか?そりゃもうあんた、決まってるじゃないですか。タンバリンですよ。半月形のね、メタリックなね、ステージ上で妖しく光るタンバリンに決まってるじゃないですか!ロックンロールシンガーの必需品ですよ。でも、ま、基本的にはただ握りしめてるだけで、たまに振り回したり投げたり投げられたりするだけで、ほとんど叩かないから、楽器としての意味合いは無いに等しいんですけどね。でも、絶対にいるんですよ。いわゆる一種の「こだわり」ですね。はい。


諦観ザマス

そりゃ、ま、生きてりゃ色々あるけれども、要するに私は、私という人間は、ロックンロールバンドをやるしかないんでございますよ。

カッコつけるわけじゃないし、カッコつけたところでカッコつかないから、無闇に言葉を連ねるつもりは毛頭ないけれども、とにかく私は、自分の人生にまつわるありとあらゆることをひっくるめて、ロックンロールバンドをやるしかないんでございますのよ!

ざますのよ!


コメントへの返信〜さかえ様宛

最初、さかえさんは確かに、ただの「怖い人」でした。
でも、職業上の緊張のあまり、連日全く昼食を摂ろうとしない私に、自分のパンを半分ちぎって、「ちゃんと食べなアカンで!」と言って、パンを分け与えてくれたのがさかえさんでした。

正直、全っ然腹減ってなかったけど、むさぼり食いました。

めちゃくちゃ嬉しかったんでございますよ。


心の琴線

「心の琴線」になんて、触れたかないよ。

例えば、日頃一緒に働いてるパートさんの「心の琴線」になんて、触れたかないよ。

どれもこれも、痛くて痛くて…涙が出てくるんだから!


大往生

伊丹に住む親戚のおばあさんが亡くなった。普段、そんなに親しくしていたわけではないが、昔からよく知っているおばあさんで、「一憩ちゃん」って読んでくれてはった。

最近はずっと延命処置でなんとか命を繋いではったらしいので、こんなことを言っては何だが、早い段階でお迎えに来てもらえて、本当に良かったと思う。日頃の行いがこういう所に出るんだね。

今からお通夜に行く。「お疲れさまでした」とだけ言ってくる。

あのおばあさんはいわゆる「大往生」だ。生きて生きて生き抜いて亡くなった。

我々、若輩者。皆、頑張って生きんとね!


脚で捜すのさ

明日は神戸にドラマー募集フライヤーを貼り出しに行く。いつものように、一度六甲で下車して、王子公園までビール片手にぶらぶら歩いて、王子公園から再び電車に乗って、三宮に出ようと思っている。
ほんの数ヶ月前、このお気に入りのルートを歩いた時には、私にはまだ自分のバンドがなかったのであるが、それが今や、私は超個性派ロックバンド、バタフライのウ゛ォーカリストにしてリーダーなのであるから、この事実に想いを馳せながら飲むビールの味はまた格別であるかと思われる。

え?もう無駄な酒は飲まないんじゃないのかって?ええ、絶対に飲みませんよ。無駄な酒はね。