拙者を斬れ

イベント好きな私が唯一大嫌いなイベント―それが「バレンタインデー」である。

彼女がいない時、そりゃ一応、ドキドキはしてきた。してきたけども、そのドキドキが報われたことが一度たりともない。いつもシラッとスルーされてそれで終わり。面白くもなんともない。

あと、言っておくが、義理チョコなんていらない。絶対にいらない。あれは失礼だ。失礼の黒い塊だ。できることなら、私に義理チョコを手渡した女子の目の前でゴミ箱に投げ付けたいくらいの勢いでいらない。

だいたい、義理チョコは上目線だ。「くれてやる」みたいな感じがある。俺は犬か。考えてもみよ、ブサイクに義理チョコをもらうことほど侮辱的なことって他にあるか?ブサイクに義理チョコを手渡されそうになったら、義理チョコを手にしているブサイク丸ごとゴミ箱に放り込んでやりたいと思う男子は、私だけではあるまい。

繰り返すようだが、私はいまだかつて、彼女がいない状態で本命チョコをもらったことがない。最近はもう、ドキドキもしなくなった。一切期待していない。そんなくだらないことに期待している暇があったら、義理チョコブサイクをゴミ箱にブチ込む時のために、緻密な健康管理と計画的な筋力トレーニングに励みたい。

なお、この文章は「本命待ってます」という魂胆の裏返しではない。ゼロならゼロで一向に構わん。慈悲ヅラで無慈悲なことをせず、潔く、ゼロで終わらせてくれ。頼む。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。