心の孔明現る

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こんなこともあろうかと、私は私の心の中にちゃんと、心の軍師を迎え入れてあるのである。まさに、備えあればなんとやらである。

―ここは心の中の、赤と金を基調とした宮殿。

一憩「孔明を呼べ」

孔明「お呼びですか?我が君」

一憩「おぅ。わしは今、あることで頭を悩ましておってな」

孔明「猫…でございますな?」

一憩「お見通しか…。さすがじゃ。そう、猫…。彼奴は黄巾賊よりタチが悪い。かといって、わしはもう、彼奴がごとき愚鈍猫に声を荒げて怒りを露にするのも面倒くさい。孔明、わしはどうすれば良い?」

孔明「策は三つございます」

一憩「ほう、三つとな?では、聞かせてみぃ」

孔明「第一の策は、我が君自らコメント欄へお出ましになって、モノノケ殿の加勢をするというものです」

一憩「しかしそれは端から見ていてあまりに滑稽ではないか?」

孔明「はい。極めて滑稽です。猫のいる場所へ我が君が降りて行かれる恰好となり、我が君の威信に傷を付けかねませんし、また、当ブログの品位にも関わってまいります。したがって、これは下策と言えます。我が君がコメント欄へ直接お出ましになるのは、あくまで平和的且つ建設的な意味合いであるべきです」

一憩「では、第二の策は?」

孔明「第二は、当ブログの管理人様にご協力を仰いで、猫のコメントを一掃してしまうというものです」

一憩「しかしそれではあまりに力業が過ぎぬか?」

孔明「その通りです。管理人様にご協力を仰ぐのは、あくまで最終手段であるべきです。それに、他の愛読者の方々からの猫排斥運動の高まりがない中でこれをやってしまいますと、当ブログの敷居的なものが軽率に高くなってしまう恐れがあります。したがってこれは中策と言えましょう」

一憩「ということはつまり、第三の策がそちの推す策―上策というわけじゃな?」

孔明「はい」

一憩「面白い。申してみぃ」

孔明「わたくしの推す第三の策―上策は、金輪際、猫からのコメントへは返信しないというものです」

一憩「しかし、そんなことで懲りる猫であろうか?」

孔明「いえ、懲りないでしょう。が、無視し続けるのです。我が君はこれまでに二度、猫を許されました。しかしながら猫は、我が君に許されるたびに、許されるほどに付け上がってきて…という状況があり、この状況を当ブログの愛読者の方々の多くはよくご存知のはずですから、我が君がここに及んで猫を無視なさっても、誰も異論を唱えますまい」

一憩「しかし孔明。わしが無視しておるにも関わらず、くだらぬコメントを連発されたらどうするのじゃ?それはそれで見苦しいであろう」

孔明「もしそうなったら、その時こそ、管理人様にご協力を仰げばよいのです。話の流れが流れでございますれば、管理人様はもちろんのこと、愛読者の方々も必ずや納得されるでしょう」

一憩「なるほど」

孔明「猫のコメントを不快だと思っておるのは、我が君お一人だけではないはずです。愛読者の方々の中にもきっと「こいつ気持ち悪っ!」とお思いの方がおられるはずなのです。そのような者を、いかに猫だからとは申せ、いつまでも野放しにしておいてよろしいのでございましょうか?癌は一刻も早く取り除かねばなりません。方々に転移し、全体が崩壊してからでは手遅れなのです。我が君、賢明なる愛読者の方々の為にも、何卒ご決断ください」

一憩「わかった。わしは決断した。孔明、よきに計らえ」

孔明「はっ!」

―かくして、当ブログの危機回避の全権は、我が心の軍師、諸葛孔明の両肩に委ねられたのであった。

次回、『心の孔明舞う』に続く。


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