大阪在住のうたうたい&絵描き&詩人 和田一憩(わだいっけい)のブログです。最新情報も随時配信していますので要チェック!!です。 携帯サイトはコチラ

ブルース

久しぶりに昔の友人に会うとする。第一声は「おぅ、久しぶり!」みたいなことであるが、二言三言目にくるのは決まって「で、今、仕事何してんの?」である。俺にはこれがよくわからない。何故そんなことを聞くのか。そんなことを聞いてどうしようというのか。もしその時俺が「任天堂で部長をやってる」と答えたら彼は「負けた..」とでも思うのだろうか。もしその時俺が「携帯電話用のレンズを作る工場で外国人と一緒に働いてる」と答えたら彼は「勝った!」みたいなことを思うのだろうか。まあ多分、思うのだろう。何とも嫌な話だ。悲しい。

職業に優劣なんてないだろう。と、俺は常日頃、若干の怒りを込めて思う。営業の仕事も、警備員の仕事も、アパレルの仕事も、鳶の仕事も、ライターの仕事も、交通量調査の仕事もみんな仕事は仕事。正社員であろうが、派遣であろうが、バイトであろうが皆、雇用形態に違いはあれど立派な労働であって、みんな大変で、大変だからゆえに給料が発生している。



ところで、「労働」と呼ばれるものは大きく2つに分けられる。「ホワイトカラー」と呼ばれるスーツにネクタイのオフィスワーク組と、「ブルーカラー」と呼ばれる肉体労働組である。

俺は高校卒業以来、つい先日までずっ〜と工場勤めで、要するにずっ〜と青色。本文冒頭の「携帯電話用のレンズを作る工場で外国人と一緒に働いて」たのは他でもない、俺自身であって、俺はその工場で2年半ほど働いたが、同僚は皆本当に、泣けるほどに、いい奴ばかりだったし、例外はあれど皆、本当に良く働いた。が、俺を含めて皆、どこかに劣等感的なものがあったと思う。極めて自己評価が低く、「白くなり損ねた自分」というか、「白くなれない自分」というか、「自分は世の中の底辺で働いてる」みたいな感じがあって、日々の振る舞いの中にも若干の自暴自棄的なものがチラホラした。皆、自分の仕事に誇りを持てないでいた。

俺は馬鹿にされたことがある。ホワイトカラーの人間にあからさまに馬鹿にされたことがある。工場で働いていることや、工場で「わけのわからん人たち」や外国人と一緒に働いているということに関して馬鹿にされたことがある。

ホワイトカラーの優越感と、ブルーカラーの劣等感。これ、何とかならんのだろうか。

早い話が皆、「貧乏人」じゃないか。

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プロフィール

いっけい

ビートルズ好きの両親の元、ビートルズを子守唄に育ち物心が付く前から音楽に慣れ親しむ。
学生時代からいくつかのバンドを結成し関西を中心にライブに明け暮れる。
現在はソロでの音楽活動に加えイラストも手掛けるマルチアーティストとして活動の幅を広げている。

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