大阪在住のうたうたい&絵描き&詩人 和田一憩(わだいっけい)のブログです。最新情報も随時配信していますので要チェック!!です。 携帯サイトはコチラ

HOPE

昔から俺は何かと擬人化する癖がある。この癖、自分らしくて気に入っている。

小学生の時、俺はサッカーが好きだったのだが、自分の中で燃える試合が翌日に迫ると風呂場で、浴槽の中で、効き脚である右脚に「明日、頼むで!」などと話かけていたし、音楽をやり始めたらやり始めたで自分のギターに名前を付けては愛でてきた(例えば、リプライズ後期に使用していた黒いレスポールは「ドロンジョ」と呼んでいた)。

この癖は今も治らない。気に入ってるんだから治す必要はないわけで、今、俺は自分の左腕を「西山さん」と呼び、右腕を「村本さん」と呼んでいる。西山さんも村本さんも女性で、仕事上の尊敬すべき大先輩であり、ごく短期間の内に二人との直接的な関わりはなくなってしまったが、それでも俺がこの二人に出逢って得たものは計り知れないものがある。

西山さんは職場で出逢った。いつも目がキラキラしていた。身体が小さく細かったが、多分に肉体労働的な要素を含むこの職業を流れるようにこなす凄い人だった。俺はその流れるような動きを見て心ひそかに「南斗水鳥拳の西山さん」と呼んでいた。一方、村本さんは実際に先生として、俺にこの仕事のやり方、考え方を教えてくれた人で、かなりシリアスな事柄について語る場合にも「ま、私みたいなもんが言うのもなんやけど」的ニュアンスがあって、いつも砕けた感じの物言いをしたが、その根底にはいつもこの仕事に対する深い深い愛情が見てとれて俺はこの人の授業が大好きだった。柴田理恵を少し可愛くした感じのガッチリした体格の人で、プライドと愛嬌が絶妙に絡みあったような独特なオーラを放っていた。

今、仕事帰りの電車の中でこの文章を書いている。今日も右腕(村本さん)と左腕(西山さん)は俺の一部として頑張ってくれた。

次のライヴで俺はもちろんギターを弾くが、その際、コードを押さえるのは西山さんで、ピックを持ち、弦をかき鳴らすのは村本さんである。ほんのつかの間ではあるが、西山さんと村本さんに仕事のことを忘れていただいて、ジョン・レノンやノエル・ギャラガーのいる俺のフィールドに案内して差し上げようと思っている。

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プロフィール

いっけい

ビートルズ好きの両親の元、ビートルズを子守唄に育ち物心が付く前から音楽に慣れ親しむ。
学生時代からいくつかのバンドを結成し関西を中心にライブに明け暮れる。
現在はソロでの音楽活動に加えイラストも手掛けるマルチアーティストとして活動の幅を広げている。

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