俺は自分にとって重要なライヴが近づくと決まってビートルズのライヴDVDを観る。意識的にではなく、気が付けば観てしまっているといった感じ。
一本のマイクを挟んで、向かって右にジョン。左にポール。この絵はいつ観ても神々しく美しい。
右の男は人類史上最もロックンロールを愛した男であり、左の男は人類史上最もロックンロールに恋した、恋し続けている男である。
そういえばよく「恋と愛の違いは?」ってな台詞を耳にするが、俺の考えを述べさせていただくと、まず絶対的に言えるのはどちらが上でどちらが下といったものではないということだ。一般的には恋が成長して愛になるのだから、恋よりも愛の方が上だということになるのかも知れないし、恋が子供でも持てるものなのに対して、愛はある程度歳をとった大人にしか持てないものだとする考えがあるのかも知れないが、俺はそれは違うと思う。恋と愛はそもそも別物、種類の違いなんだと俺は思っている。どちらも重いし、どちらも極端に魅力的で、基本的には人を「生」に向かわせるが、たまにその真逆方向へ追いやってしまったりすることもある。そんな「力」だと思う。
例えば、愛は自分の親に対する気持ちだと言えると思う。自分の血や肉の部分に絡み付いていて、ちょっとやそっとではほどけない、あの人達がいなければ自分はなかったという認識。自分にとって物凄い大事な存在。かと言って、あの抱きしめたい、キスしたい、正直ヤリたい娘と同じくらい常に親と一緒にいたいのかというとこれは全然違う。例えが若干下品で申し訳ないが、たぶんそういうことなんだと思う。自分の中に無い、無いがゆえに物凄く魅力的に見える物凄く魅力的なものを持っている人やものに対して抱く力が恋なんだと俺は思う。
俺はよく「俺的には愛がビートルズで、恋がオアシスだ」と言うが、なんとなくでも理解していただけるだろうか。ビートルズの音楽と存在は俺の血や肉に絡み付いてしまっている。その影響はちょっとやそっとでは拭えるものではない。手遅れ。が、今現在、しょっちゅう聴くかと言うとそうではない。はっきり言って全くと言っていいほど聴かない。しかしオアシスはあの音楽はもちろんのこと、あの兄弟の持っているものというのは、俺が一番持ちたくても持てないもので、常に聴いていたい、一緒にいたいと思う。この気持ち、この分析、わかっていただけるだろうか。
ま、誰が何と言おうが恋と愛、俺はそんな風に捉えている。ただ、本当に一番強烈なのは恋単独でも愛単独でもなく、自分の気持ちがとある対象に対して恋でもあり愛でもある場合だと俺は思っている。
俺にとってそれはロックだ。ロックだ。ロックだ。3回言うたった。
恋と愛と恋愛と
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