地球で生きている以上は重力というものを無視できないわけです。一生付き合っていかねばならないわけです。重力はその対象を選ばず、無粋に我々の上にドーンとのし掛かってきて、例えば水の流れを見てもわかるように全てが上から下へ上から下へなわけです。そしてそれは物理的な話だけではなくして、我々の精神的な部分に関しても同じことが言えるわけで、我々の視点、人生なるものは、基本的には何もかもが上から下へ上から下へなわけです。ということは、人間は人間という生き物は抜本的にネガティブ思考な生き物と言えるのかもしれません。気が付けば頭は重力に任せて傾き、うつむき、地面を見つめてしまっていて、顎を上げて歩くというのはなかなか困難なことです。「上を向いて歩こう」という歌がありますが、実際には上を向いて歩くというのはかなり難易度の高い行為です。したがって最も理想的な形は、重力に打ち克とう打ち克とうとして顎を可能な限り上げよう上げようとはするが、いかんせん相手は自然の脅威、打ち克つということがままならず、でも諦めずに顎を上げよう上げようとする葛藤の中で気が付けば上でも下でもなく前を向いていたというのがベストかと思います。
つまり「落ち込む」というのはそういうことです。私もあなたもことあるごとに落ち込んで、たまに落ち込んでいること自体に落ち込んだりもしますが、これは基本的には全て重力の仕業で、私のせいでもなければあなたのせいでもありません。だから特別カッコ悪いことではありません。ただ、我々人間のそういったネガティブな発言、姿勢、生き方というものを「カッコ悪い」と言えるとすればそれが、その流れがあまりに自然、あまりに普通過ぎて、そこに「個」というかプライドみたいなものが見い出せないからです。「個」というのは、どこかイビツで不自然だからゆえに浮き、注目もされるわけで、あまりに社会の仕組みやそれこそ自然の脅威といったものの前に無力だったり無意思だったり素直だったりすると「個」というものを世の中に魅力的に轟かせることはできないわけです。
と言うわけで、私もあなたも前を向いて歩きましょう。先ほども申し上げたように我々人間が前を向いて歩くためには、上を向いて歩こう!くらいの気合いが必要です。それでやっと前を向ける感じです。重力に打ち克ってやる!というまことにもって無謀かつ不自然極まる意志こそが私やあなたの「個」を約束するのです。
お互いに頑張りましょう。不自然に頑張りましょう。
和田説法〜題目/玉野ポジティヴ〜
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://ikkei.me/mt/mt-tb.cgi/132
コメントする