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小説・木元麦乃助の憂鬱〈結〉

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「何も聞こえない。だからもう俺は何も喋らない。俺は...俺はとっても疲れた。って、あは、無の世界みたいな崇高な場所でものすごい知的なことを思ってる時に「とっても」ってフレーズはとっても滑稽に響くね。浮くね。とっても可笑しいね」などとあちら側で思って、心密かに恍惚の表情を浮かべていた麦乃助の今やただの飾りでしかないはずの耳に突如中華のオッサンの屁の音が飛び込んできた。その刹那、「じゃあかあっしゃあ!!」麦乃助は中華のオッサンのところへ走っていって眉間のちょっと下あたりをグーでドーンとやった。中華のオッサンは「グーでドーン!」と叫びながら後方へ吹っ飛んだ。それから麦乃助は首が取れそうな勢いで振り返ると、オッサンが拵えた大量の汚物的中華を「ランチの中のランチ!」と叫びながら片っ端から女刑事に投げつけた。そして声の限りに、ズボリア・ギッシーニの歌唱法に多大なる影響を受けたと某雑誌のインタビューで答えていた、ぺ・ログレスクの声で叫んだ。

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

俺はロックが大好きだ!

そして最後に一言、「わかる?」と言った。

汚物で中華なランチにまみれた女刑事は口を歪ませて麦乃助を睨み付けると「あんたに味方はおらんよ..私にはおるけど」と呟いてから鼻で笑ってこう言った。

「一丁あがり!」

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プロフィール

いっけい

ビートルズ好きの両親の元、ビートルズを子守唄に育ち物心が付く前から音楽に慣れ親しむ。
学生時代からいくつかのバンドを結成し関西を中心にライブに明け暮れる。
現在はソロでの音楽活動に加えイラストも手掛けるマルチアーティストとして活動の幅を広げている。

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