小さな世界で言えば、俺の職場なんかがそうなんだが、この世の中というのは結局、ある特定の人間、「選ばれた人間」だけが厚待遇、生き延びられるように出来ているらしい。
この考え方に対する反論は一切受け付けない。反論する奴は反論した時点で「私は選ばれてる人間です!」と根拠なく分不相応に間抜け面を輝かせて名乗っているのと同じで、そんな奴の言葉に耳を傾ける暇があったら俺は村八分のレコードを何回繰り返したかわからなくなるくらい繰り返し聴く。
一方、教育の段階では、今日も相変わらず、涎を垂らした見るからにアホそうな「先生」と呼ばれて有頂天になっているちょっと前まで子供だった馬鹿が「個性を伸ばしましょう!」みたいなことを言っている。個性なんてもんはモヒカンみたいなもんで、伸ばせば伸ばすほどに生きにくくなる。それを承知の上で「個性を伸ばしましょう!」なんて言ってるんだから彼らは生粋の悪人だ。悪魔だ。
いろんな人間がいて良いじゃないかと思う。いろんな人間がいるからいろんな人間が生きていける。いろんな人間がいないといろんな人間が生きていけない。
俺はもう本当に説教され飽きた。自分の言葉数の18倍くらいの言葉数で説教が返ってくるのをわかっていながら自分の見解なり要望なりを喋るくらい間抜けな話はないだろう。
先日、目の前で一人の浮浪者が倒れた。頭をアスファルトに強く打ち付けて、鈍く重い「ゴン」という音が俺の耳にヌメヌメと流れ込んできた。俺は「俺も一歩間違えりゃ...」と思って気分が重くなったが、周りの人たちは皆、その浮浪者に「アホが」みたいな軽蔑の視線を投げつつ、ビール片手に笑っていた。
新世界
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://ikkei.me/mt/mt-tb.cgi/232
コメントする