とある居酒屋。周りにも居酒屋は腐るほどあるが、その中でも一際ボロい、しかしながら一番客の入っている居酒屋の店内ではなく店外にポツンと置かれたテーブル、提灯に黄色く照らされたテーブルを前に俺は今、とある若干名の知れた男と呑んでいる。
その男は右腕を俺の肩に回した状態で、左手をちょくちょく勢い良く上げては「オヤジ!おい、コラ、オヤジ!」と叫び、俺が何度も「あの、僕、お金無いんですけど...」と言っているにも関わらず、そんな言葉は完全に無視してテーブルの上に焼鳥やらビールやらをじゃんじゃんじゃんじゃん運ばせている。「俺の奢り。気にすんな。てめえ男だろうが!」とかなんとか笑いながら言って。
彼は俺にその焼鳥やらビールやらをむやみやたらに、それこそ俺の口に捩じ込むような勢いで勧めながら、俺の背中をバンバン叩いては「頑張れや!な?てめえ男だろ?じゃ、突っ走れ!てめえのやりたいことに向かって脇目も振らずな。何て言うかそのぉ...(頭を掻き乱す。頭髪ぐちゃぐちゃ)...ま、とりあえず突っ走れや!てめえ男だろ?って言うかオメェもっと飲めよ。喰えよ。男らしく飲みかつ喰らいせえよ。金?金のことなんか気にすんなって。金の心配するくらいロックの神さんをガッカリさせるもんはねえだろ?だいたいオメェは俺を誰やと思てんねん。どうしても返したかったらオメェ、出世払い、出世払いでいこや!戦え男よ!」などと喚いて笑っている。
今、書斎で発泡酒片手にエレカシを聴いている。心から、一度で良いから、宮本(「みやもっ」と発音)さんと会って呑んでみたいなと思う。
彼は、彼の声はリアム同様、何か強烈に重いものを持ち上げようとしている人間、男の声だ。ただ、リアムと絶対的に違うのは、彼の声が男、それも日本の男、日本男児に限定して強烈な愛情と憐れみとエールを送っている、送り続けているという点だ。
もし彼に会えたら、「ありがとうございまあす!」と俺らしく静かに叫んで頭を下げて、妄想の中で彼が俺にしてくれたことそっくりそのまま彼に返そうと思う。「やっぱり俺は黙ってサッポロビールでしょう!」とかなんとか笑って言いながら奢らせてもらいたい。
宮本浩次、死ぬほど好きだ。あなたのことが大好きだ!
宮本浩次と呑んだ
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