ちょっと前まで俺は20代の若造だった。そりゃ、まあ、酒は飲んだ。飲んだくれだったと言っても過言じゃない。でも、30を少し越えた今、現実が生き地獄の一歩手前みたいなことになっているとして、それが過去の、20代の自分の生き方が生んだ「罰」だとか「しわ寄せ」だとか言われても今一つ納得がいかない。
俺の20代はどうだったのか。冒頭でも述べたように、確かに飲んだくれだった。でも、ギャンブルも女遊びも一切しなかったし、分不相応に高価な服を着てイキるということもなかった。基本的に食えりゃなんでもいいし、飲めりゃなんでもいいし、着れりゃなんでもいい。そんな、分をわきまえたスタンスで生きていた。
ただ音楽が死ぬほど好きで、音楽相手に必死こいて格闘してただけだ。
だから、今の生活が最低なものだとしても、俺はこれを「罰」だとも「しわ寄せ」だとも思わない。後の幸せを生むための長い陣痛とでも解釈して、無理矢理にでも前向きに、葛藤の日々を乗り越えていくだけだ。
いろんなことが確かに自分のせいだ。でもそこまで自分のせいじゃない。にも関わらず不本意にも深々と頭を下げて謝罪して、目の前の苦境をとりあえずやり過ごす、なんてことはしたくない。
葛根湯
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