大阪在住のうたうたい&絵描き&詩人 和田一憩(わだいっけい)のブログです。最新情報も随時配信していますので要チェック!!です。 携帯サイトはコチラ

所詮混沌

「人間は考える葦である」などと訳の分からないことを言ったのはトルストイだったと思うのだが、この「人間は〇〇である」っていうフレーズ。このフレーズの俺バージョンを、介護の仕事をしていた時、休憩時間に施設横のベンチに腰かけて公園を眺めながらよく考えていた。

「人間は歩く混沌である」というのが浮かんだ瞬間、もうこれしかないだろうと思えた。「考える葦」って言われてもなんだかよくわからないが、「歩く混沌」なら実にわかりやすい。

人間の中にはありとあらゆる要素がぐっちゃぐちゃに混ざりあったものがある。これがもう本当にぐっちゃぐちゃで、絶えず変化を繰り返している。どんな要素がどんな具合に混ざりあっているのかは人それぞれだし、自分の中にどんな要素がどんな具合に混ざりあっているのかをどんな風に把握したつもりになるのかも人それぞれだし、それが正しいのか間違いなのかということはたぶん一生わからない。ただ、自分の中のそんなこんなをある程度把握したつもりにならないと、自分という人間の輪郭が自分自身見えてこないし、この輪郭が見えてこないと、見えたつもりにならないと、自分が生きるということに対して方向付けができない。

「つもり」が積もり積もって人間。思い込みの塊が人間。実際のところは定かじゃない。自分は実際はどんな人間なのか。死ぬまで定かじゃない。

だからこれは別に悪い意味じゃなくて、死ぬまで自分で自分のことがわからないのが人間で、でも、少しでも多くわかろうわかろうとする健気な姿勢が人生だと思っている。

ところで、他人に対して少しの躊躇もなく「それは違う」みたいなことを言い切る人がいるが、俺はそのもの言いが違うと思う。自分で自分のことがわからないわかっているつもりの人間が、自分で自分のことがわからないわかっているつもりの人間に対して自信満々に「それは違う」などと言って、自分と他人の違いを認めようとしないのは物凄く傲慢なことで、その姿というのは物凄く滑稽で間抜けだと思う。

アンタに俺の何がわかるのか。俺にもわからない俺という人間の何がわかるというのか。もし俺以上に俺のことをわかるというのなら頼む、代わってくれ。俺を生きてくれ。俺を上手く生きて見せてくれ。と、いつも思う。もちろん、声には出さへんけどね。

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コメント(1)

想像力は必要だ。
感性の優れた者は、早く感じ取れる。

人間は複雑だ。光も影も有る。
すべてを、感じ取ると光より影が多くなる人間も、このご時世多いです。

誰しも闇は必ず有る。
が、純粋すぎると潔癖すぎると、その闇に呑まれる。

鈍感になって下さい。
そんなに悪い事ばかりでは無いだろう。

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プロフィール

いっけい

ビートルズ好きの両親の元、ビートルズを子守唄に育ち物心が付く前から音楽に慣れ親しむ。
学生時代からいくつかのバンドを結成し関西を中心にライブに明け暮れる。
現在はソロでの音楽活動に加えイラストも手掛けるマルチアーティストとして活動の幅を広げている。

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