うつになると、めちゃくちゃ疲れやすくなります。
病院の先生の言い方を引用すると「例えば、やるべきことが4つ、ABCDとあるとすると、普通の人は連続してできるんだけど、うつの人はAをやったら休み、Bをやったら休み...といった感じになる」
俺もまさにそんな感じで、何か一つのことをやると、ドッと疲れが出て、気付けば寝てしまってます。
人によっては食欲や性欲が著しく減退するし、睡眠障害にもなります。俺の場合は「寝るのが怖い」というのがずっと続いてます。寝てる間に知らぬ間に時間が流れていってしまうということが嫌で、不快で、疲れ切って手も足も出なくなるまで起きておくという感じです。これはうつの人の典型的な症状らしいです。
あと、「うつと言えば自殺願望」みたいなところがあるけど、これは事実です。無力感とか、劣等感とか、自己嫌悪とか、罪悪感とかがドッと押し寄せてきて、「お先真っ暗」と思えた時には「死にたい」というのがどうしても出てきます。俺自身も何度も考えたし、俺の周りには幸い死なずに済んだけど、実際に行動に移した人が一人以上います。
数日前、そうやって実際に行動に移した人、二人に会って話をする機会がありました。二人とも言ってたのは「理解してもらえない」ということでした。「日本人なんてみんなうつと言えばうつやで」とか「自分も落ち込んでどうしようもない時があったんやから」とか言われて、言い返す言葉がないという辛さ。言い返せばただの自己憐憫野郎みたいになってしまう。でも「違う!」と強く思う。あんたのそれと俺のこれは絶対に違う!と身をもって思う。でも言えない。言っても無駄だと思う気持ちが積み重なって引きこもる...最悪の道筋です。
以前は俺もうつの人のことが全く理解できませんでした。懺悔すると、馬鹿にしたことさえあります。でも今はただただわかってあげて欲しいと思います。わからないのならわかろうとしてあげて欲しいと思います。うつの人にとって一番「要らない」人種はわからないのにわかったようなことを言う人です。逆に、わからないならわからないなりに黙って話を聞いてくれる人の存在というのは本当にありがたい存在です。
短いけれど、この文章を今、うつに苦しんでいる人と、その周りにいる人と、今後うつになる可能性のある読者の皆さんの為に書き、残します。
〈あとがき〜前兆記〉大阪にいた時、俺は天六商店街をぶらつくのが大好きでした。でも、うつだと診断される数ヵ月前から、商店街を歩いている時の自分のものの見え方、感じ方に強烈な違和感を感じ始めました。商店街を歩く人たちに対して以前は全く感じたことのない疑問を抱いている自分がいました。それは「この人らみんな、なんで笑ってるんやろう?何がそんなに楽しいんやろう?」というものでした。この感じ方は商店街を最後に歩いた頃には「どいつもこいつもニヤニヤしやがって」という怒りみたいなものに変わってしまってました。今にして思えば、あの違和感は「前兆」だったのかなと思います。
理解の為に〈後編〉
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