プルルルル。プルルルル。プルルルル。プルルルル。
ガチャッ、「はい」
「あ、お久しぶりです。お元気で...あ、はい。え?自分が今何をすべきか...ですか?さあ、さっぱりわかりません。すいません。はい。え?自分の今の立ち位置...ですか?さあ、やっぱりさっぱりわかりません。すいません。え?地に...何ですか?あ、「地に足はついてるか?」とおっしゃってるんですか?あのぅ、お言葉ですが、自分がどこに立っているのかもわからない人間の足って地につくもんなんでしょうか?え?今「お前は幽霊か?」っておっしゃいました?これは面白いことをおっしゃる。いい歳して「幽霊」って。あは、あはははは。
―しばし沈黙。
ところで、逆にこちらからお尋ねしてもよろしいでしょうか?あ、ありがとうございます。ではお尋ねしますがあなたは今、何をすべきかご存知ですか?はい、ええ、あ、ご存知ですか。じゃ立ち位置はどうですか?はい、あ、あ、そうですか、それは素晴らしい!ということは地に足が...そ、そうですよね。ついてらっしゃいますよね。当然です。え?「私は誰かさんみたいに幽霊じゃないから」ですって?そうきましたか。あはははは。いやはや、本当にあなたはしっかりしておられますねえ。え?今、何ておっしゃいました?私はお前みたいに...何ですか?すいません、ちょっと聞き取れ...はい。私はぁ、お前みたいにぃ、何かにぃ、誰かにぃ、依存するということをぅ、しないぃ、自立したぁ、人間だから...ですか?なるほど!な〜るほどねっ...て、お前に言われたかねえよクソ馬鹿野郎が!!」
ガチャン!
TEL
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://ikkei.me/mt/mt-tb.cgi/857
コメントする