『心の灯火』を描き上げて、ここに載せてから、いつものように早朝散歩に出掛けた。
公園のベンチに腰掛けて、煙草を吸っていると『心の灯火』に対する不満が募ってきた。「絵、そのものは悪くない。でも、あのひとに似ていないにも程があるし、よく考えたら雰囲気さえも出ていない。あの絵はあのひとには全く関係のない、完全な別物だ」ということに気付いたのだ。
「これは出てくるのを待っててもしようがないんじゃないか?手を伸ばして、掴みにいかないとダメなんじゃないか?」と考えを改めて、即帰宅。部屋に入るやいなや猛烈な勢いで描き始めた。何故か描いている間中ずっと、薄い吐き気が続いたが、そんなものは完無視して、一心不乱に描いた。
「意識して描く」というのは初めてのことだったが、出来上がったものを見て、感無量だった。ちゃんと似てる。本物との違いはあるが、この違いは目に焼き付いたものと、心に焼き付いたものとの違いで、この絵は俺の心に焼き付いたものの表れ。俺には、俺の心にはこう見えているということだ。
初めて描けた。描きたいものを描こうとして描けた。これからは、本当に描きたいものは手を伸ばして掴みにいくことにしよう。
Nの心象
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