とにかくブッ飛んだのを描きたくなった。
タイトルは他に『R&R』、『PUNK』、『LIAM』、『森羅万象ファックオフ』と、4つほど候補があった。が、描き進めば進むほどに「俺はバンドマンだ、馬鹿野郎!」って気分が猛烈な勢いで昂ってきて、まずギターアンプが頭に浮かんで、次に「GAIN」のツマミが10までしかないことに考えが及んで、10までしかないやつを無理矢理100まで回してこましたれ!と思って『GAIN100』になった。
描いている途中でピンクのクレパスが真っ二つに折れるというアクシデントに見舞われたが、即座にうち片方を「見舞うな!」などとわけのわからない言葉を吐き捨てながらゴミ箱に投げ捨てて、勢いを止めることなく完成地点まで突っ走った。
要するに、「どうにでもなりやがれ!ファッキンクソ馬鹿野郎!!」っていう絵だ。
朝、ニュースを見ていた。
コメンテーターが口々に「馬鹿だ」「腹がたつ」と言っていた。
すると、玄関のドアの開く気配がして、無言で俺の部屋へと続く階段を登る足音が聞こえた。
ゆっくりと後を追って部屋に入ると『戦う優しさ』が他の女の人たちと同じようにビニール袋に収まって涙を浮かべていた。
1位(―) female
2位(―) 恋のジャンヌダルク
3位(―) Nの心象
4位(―) エコーの精
5位(―) 阿仁真里
6位(―) 貴方は頑張りました
7位(―) 素敵な不似合い
8位(―) 祈りの少女
9位(初) 瞑想
10位(↓) バタフライ
〈破棄〉
・戦友の死
1位(―) female
2位(―) 恋のジャンヌダルク
3位(―) Nの心象
4位(―) エコーの精
5位(―) 阿仁真里
6位(―) 貴方は頑張りました
7位(―) 素敵な不似合い
8位(↑) 祈りの少女
9位(↑) バタフライ
10位(初) 戦う優しさ
1位(―) female
2位(―) 恋のジャンヌダルク
3位(―) Nの心象
4位(―) エコーの精
5位(―) 阿仁真里
6位(―) 貴方は頑張りました
7位(―) 素敵な不似合い
8位(↑) 祈りの少女
9位(↑) バタフライ
10位(初) 戦う優しさ
自信過剰から来る下品な優越感が許せない。
人を許せない人と、人に許しを乞えない人が許せない。
獣と化したくっだらないプライドに喰われて泣けばいい。
俺は助けない。他を当たってくれ。
以前、田代まさしを応援する本が出版されたことがあるらしい。一人の人が書いたものではなく、連名で田代まさしを応援する文章を書き、これをまとめて一冊の本にしたものが出版されたことがあるらしい。
そして今回、再び彼が逮捕されたことを受けて、この人たちが「裏切られた!」と喚き散らしているという話を聞いて、俺は本当に頭にきた。頭が痛くなった。
何が「裏切られた!」だ。自分たちの言葉に一体どれくらいの力があると思っているのか。お前らはキリストか。仏陀か。勘違いするな。勝手に本を出版して、一方通行、押し付けたのは優しさじゃなくて、ただのプレッシャーだろう。プレッシャーで生き死にの境をさ迷ってる人間を救えるはずがないだろう。そんなこともわからんのかボケ!
「裏切られた!」と言ってしまった時点で、その本はただの偽善の塊だったってことになる。自分自身を責め倒してる瀕死の人格に対して自分たちの一方的な声が届かなかったからといって怒鳴り散らして、責め立ててどうする。お前ら、一歩間違えたら人殺しやぞ。
何が「裏切られた!」だ...。
そして、俺、この絵を描いた。本当に心を込めて描いた。田代まさしを救うことのできる人を描きたかった。
まさに今、この人は田代まさしのもとへ向かっている。彼のもとへ向かう道中、「裏切られた!」と喚き散らしている集団に出くわす。まるで彼女の道を遮っているようだ。彼女は構わず前進し、集団の前に立ち、この表情、この目で言う。低い声で、囁くように言う。
「そこをどきなさい」
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