白い空から傷口に
そっと舞い降りて
傷が癒えるまでの間
笑顔を浮かべてそこにいて
傷が癒えたら静かに
消えてなくなる雪のようなものだと思っていた
ところが振り子
大きな音を立てて
不自然に急に
優しさに振れて
不安
不安
不安
優しさは優しさで
優しさのまま消えてなくなる雪のようなものだと思っていた
自作の絵をぼ〜っと眺めていて、ふと思ったのだが、俺の絵って売れるんだろうか?欲しい人っているんだろうか?
といって別に本格的に画家になって、これで飯を食っていくとかそういう話じゃなくて、ただ単に、このブログの読者の中にもし欲しいと思ってくれる人がいるのなら、「売る」もしくは「物々交換」みたいなことを楽しくやってみたいなと思ったのです。
そりゃ、ま、俺はプロじゃないんだから、欲しいと思ってくれればその気持ちが嬉しいし、嬉しいからタダであげるってのが筋なのかも知れないけど、それじゃなんか面白くない。譲り渡す方にも、受け取る方にも、〇〇ごっこ的な可愛らしい夢が欲しい。
だからもし、万が一、欲しいという方があれば、何らかの形で願い出ていただきたい。もちろんお売りするのは原画で、一点もの。作者である俺の思い入れによって、価格はピンキリあるけど、ペンで描いたB5サイズのものはだいたいが数百円で、気に入ってるものに限ってのみ4桁になる感じ。クレパスを使って描いたものに関しては、サイズ的にも大きいし、ほぼ全作品気に入ってはいるので4桁からのスタートになると思います。要は、ま、交渉しだいです(この「交渉」ってのも一度、やってみたかったし)。
俺自身、特に気に入ってる『葡萄の涙』と『寝顔』に関してはちゃんと額に入れて飾ってるけど、なかなかのインテリアになってるよ。
あなたも一点いかが?
是非とも俺にBOOK・OFFの特価コーナーで人生初の大人買いをさせてください。よろしくお願いいたします。
皆さんは『曼陀羅』という種類の絵をご存知だろうか。そう、あの宗教的な意味合いの塊の細か〜い絵。あれは長時間、蝋燭の灯りに照らされて、筆や、時には砂を駆使してまさに無我夢中となって描くこと自体に修行的な意味があるのだが、その次の段階。じゃ、描いたものをどう扱うのか?ということにも大きな意味があるということを先日知った。
というのもあの絵、『曼陀羅』は本来、俗世間と離れた神聖な異空間、いわば「聖域」を生み出すためのもので、部屋の壁に隙間なく所狭しと並べて貼って、異空間、聖域を生み出して、その中で祈りを行うためのものらしいのだが、この発想に俺はものすごく感銘を受けた。というのも、最近、ここ伊丹最北端の俺の部屋を訪れた方ならご存知の通り、俺の部屋がまさに今、自分の描いた絵でもってそんな感じに仕上がっているからである。
部屋の壁や棚に所狭しと自作の絵が並んでいて、まさに異空間と化している。何しろ赤絨毯の狭い部屋に、大小合わせて22枚の絵が貼ってあって、さらにそこへビートルズやジョニーロットンのポスターや、矢口真里の写真集が並べてあるんだから、結構壮観...っていうか異様である。
住人が異様だから部屋が異様なのか、部屋が異様だから住人が異様なのかは、「鶏が先か卵が先か」みたいな話なので、これ以上深入りはしないが、近所に住む昔からの友人たちがこの部屋を気に入ってくれていること、中には「伊丹最北端の聖域」なんて呼んでくれてる奴がいるということを本当に嬉しく思っている。
ま、本音を言うと、今の俺にとってこの部屋は聖域というよりは「結界」で、もっと言うとこの愛すべき伊丹最北端地域全体が結界みたいなもんなんだけれども。
ある親友がメールで送ってくれた自作の絵。
俺の絵はペンとクレパスを使って、輪郭をはっきりさせてるから、テーブルの上のコップのような「そこにある」感が強いけど、この人の場合は水彩画な上に絵の構図が構図なので、浮遊感があって、例えば真白いテーブルの上に置くと絵が溶け出して、テーブル全体にそっくりそのまま移ってしまうような感じがあって面白い。
『page―1』→『ミノルとシンジ』という流れの中で、読者の皆さんも大変にお疲れだと思うので、あえてこのタイミングを選んで載せさせて頂きます。
このブログを見ている中で、「自分も描いてみよう」と思い立って、その絵を俺に送ってくれて、で、それを俺がブログに載せて。この流れと関わり方を凄く誇りに思っています。
《実年齢と精神年齢との間にかなりの距離を感じる。そして、その距離はここ数年で一気に広がってしまったように思う》
とある競技場にランナーが二人。二人は歳の近い実の兄弟で、兄の名を『ミノル』、弟の名を『シンジ』といい、二人は「ソウルメイト」とでも呼べる程に仲の良い兄弟(若干、口は悪いが)であった。そして、親から一体どんな教育を受けて育ったんだか、お互いに「二人で一人」的認識があって、兄弟間でのライバル意識や競争心といったものは昔から皆無に近く、その代わりに「二人なら最強」という、端から見ると不可思議で正直ちょっと気持ち悪い、漫才コンビさながらの強い絆があった。したがって今回、二人揃ってこの競技場を訪れ、一緒にグラウンドを走るというのも、決してスピードを競おうというのではなく、ただ単に「たまには体を動かさねば」的な動機だったのであるが、動機は動機、過程は過程、結末は結末、予定は未定。いざ走り出してみたら...!?
な、物語。
よくTVのマラソン中継の感動的ラストスパートシーンで見かける、楕円形の大きなグラウンド。人気はなく、雲の上から見るとごくごく小さな影が二つ動いているだけといった感じに違いない平和な昼下がり。「雲の上から見ると」平和な昼下がり。
ミノルがシンジの前を走る。そしてグングングングン差を広げていく。シンジが後ろから「お前は待つということを知らんのか、ボケ!」と叫ぶ。と、ミノルが振り向いて「それは俺の脚にゆうてくれや、アホンダラ!」と怒鳴り返している。
誰もいないはずのスタンドでは、イチャつきながらコンビニ弁当を食べていたカップルがこの光景を見て腹を抱えて笑っている。そして、そのカップルの女の方がおもむろに鞄から携帯を取り出して友人にTEL。「い、今、め、目の前、め、めちゃくちゃオモロイことになってるから、で、出といで」などと言っている。
一方、グラウンドではなおも二人は走り続けている。無闇に走り続けている。何故か走り続けている。二人の差は広がる一方で、差が開けば開くほどに二人の声は大きくなっていく。
「お、お前、ちょっとは手ぇ抜け..っていうか脚抜けやボケ!」「アホンダラ!この状態で脚抜いたら俺、転がっていってまうやんけ!」「そこをなんとか!」「だからそこをなんとかしたら俺、転がっていってまう言うてるやんけ!」「じゃあ転がったらええやんけ!転がってしもたらええやんけ!」「お前、走ってる最中にいきなり自分の脚抜いて転がってる奴見たことあるんか!?」「斬新でええやんけ!」「アホか!!」
その頃スタンドでは、先程の女が呼んだ友人が友人を呼び、その友人がまた別の友人を呼び、その別の友人がまた別の...と絶えず連鎖を繰り返し、今やその笑い声は競技場全体を揺るがさんばかりの渦となり、それに気付いた近隣の住人はじゃじゃ馬と化して我先にと飛び出してくるわ、警察は出動するわ、競技場のぐるりには先を争うようにたこ焼き、いか焼き、とうもろこし焼きなどの出店がその筋の方々に無許可に次々と出たりして大変な騒ぎとなっていた。
四方八方から圧し寄せる怒号のような笑い声の渦の中、兄弟はデッドポイントを越え、ついにはランナーズ・ハイの境地に突入。狂ったように笑い始めていた。訳もなくただただ笑い始めたのだ。
「ウヒャヒャヒャヒャ!」「ふにゃふにゃの冷やし明太子を一回カッチカチにしてからまたふにゃふにゃにしてみました!」「ウヒャヒャヒャヒャ!」「里見浩太朗はマヨネーズの足の裏です!」「ウヒャヒャヒャヒャ!」
スタンドから笑い声の渦。グラウンドから兄弟の狂笑。上空にはよろめく報道関係のヘリコプターの羽音。
と、突如、これら全ての音が一つとなり、この世の最も低い所から最も高い所へドーン!と打ち上げられて、ヘリコプターがやはり同じくドーン!と音を立てて落下炎上した瞬間、このグラウンド、スタンド、競技場を中心とした周辺地域全体が完全なる静寂、無音の世界に包み込まれた。それはちょうどグラウンド上、周回遅れでシンジがミノルに追い付かれてしまった瞬間の出来事だった。
物音ひとつしない無音の世界。スタンドの人々は兄弟二人を監視するように凝視し、二人は立ち止まって顔を見合わせ、冷たい鉄の棒のようになって突っ立っていた。
見ると兄ミノルは子供のような表情を浮かべて、静かに涙を流していた。そして一言、「ごめん..」と言った。その言葉を聞いたシンジはしばらく何も言わず、黙って、自分たちの足跡でいっぱいの地面を見つめていたが、やがてゆっくりと顔を上げ、後ろ手に後ろを向き、スタンドを見渡した。
スタンドで自分たちを見つめている人々は、二人の間に次に何が起こるのかを見逃してたまるかとばかりにまばたき忘れてドライアイ。カッと目を見開いていたが、中に一人だけ、スタンドの一番高い所、大きな男二人に挟まれて座っている女の子だけが鼻筋に両の手の親指のラインを沿わせるように手を合わせて、目を閉じているのが見えた。
シンジはその女の子に向かって「そこのスタンドの一番上でアホみたいな顔した野郎二人に挟まれて窮屈そうにしてる女の子ぉ!おーい!」と笑いながら呼び掛けて、「わーった。わーった。わかったよ。君に免じてな。あくまでも君に免じてやで、ホンマに!」と言い、ミノルの方を振り返るや何も言わずにそっと抱き締めた。
すると、スタンドの人々は次々に立ち上がり、口々に二人を罵りながら、我先にと蠢く虫のように出口に群がり、競技場から出て行った。
その後、炎上するヘリコプターから這い出てきた見るからに情けない劣等感の塊のような男の頭を左足で踏みつけた姿勢的には実に不安定な状態のシンジの腕の中で、ミノルは笑い泣きながら「転がれるんやったら転がっとるっちゅうねん、はなっから」と言い、シンジは「そやな」と言ってウヒャヒャヒャヒャ!と快活に笑った。
スタンドでは先程の女の子が満面の笑みを浮かべながら手を叩いていて、その周りにはまるで女の子を護衛しているかのような形で男女合わせて10人くらいの優しそうな人たちが軽く腕組みをして立っており、笑顔でミノルとシンジを見つめていた。
考えてみれば。
自分はこんな人間だと(実際とは異なる偽りの自分像)思ってもらいたいがゆえに、今までいかに自分自身に、果ては他人に嘘をついてきたことか。
例えば「好きな女性芸能人は誰?」って尋ねられた際に今まで俺はどう答えてきたか。
「松坂慶子とかぁ、天海祐希とかぁ、高橋真梨子とかぁ、土谷アンナとかぁ..」って松坂慶子以外完全なる眉唾だ。
「俺はね。どちらかと言うとね。可愛いタイプより美人タイプが好きなわけよ」って嘘ばっかりだ。
俺は自分の趣向が「美人寄り」であることを主張する中で、自分のセンスはあくまで知的なものだとアピールしつつ、周りの野郎たちの健康的で純なセンスを心中見下して笑ったり、女の人たちからの信用を得ようとしてきた。
この卑屈野郎が!
じゃ、真相はどうなのか。本当のところ、俺のセンスは如何なものなのか。俺の好きな女性芸能人って一体どんな人たちなのか。
カミングアウト。
まず、松坂慶子が好きだというのは事実だ。これは間違いない。大好きだ。一番好きだ。でも彼女以降となると実は中川翔子が好きだったり、矢口真里が好きだったり、はしのえみが好きだったりするし、それこそ昔は2つ前のブログでも述べたように篠原ともえが大好きだったりした。
ここまで読んで、読者の皆さんのほとんどは、馬鹿みたいなことを語っていると思っているに違いない。どうでもいいじゃないか、と。どうでもいいわりには熱いじゃないか、と。でも、これは実はかなり重要、深刻なことで、もし「馬鹿みたいなこと」と思われているとすればそれは今、俺が取り上げているテーマがテーマだからで、何しろ「好きな女性芸能人について」だからだ。でも、俺がここで一番言いたいのは何かと言うと、俺が自分自身に嘘をつくという行為は長い時間をかけてこんな些細な、いわば「どうでもいい」事柄にまで浸透してきたということで、これはちょっと視点を、テーマを変えて拡大していくと、俺は小さな事から大きな事まで、自分にまつわるありとあらゆることに関して自分自身に嘘をついてきたということになって、だから今日、こうやって自分を大きく見失うという結果にたどり着いたんだということになるのである。
「こう見られたい」が数限りなく嘘を生んで、それが積み重なって、ふと立ち止まってみた時に「あれ?俺、誰やったっけ?」みたいな感じ。
謝罪。
本当に申し訳ない。ごめん、俺。俺はアンタを騙し続けてきた。アンタが何を言おうと、俺はそれを軽く受け流したり、あるいは審判的な返事をしたりして、そしてそのほとんどは否定的なもので、時には無視さえしてきた。
先日、モーニング娘。のベスト盤を買ったというのは、俺としてはアンタへの罪滅ぼしの第一歩のつもりで、アンタはそもそも、モーニング娘。の音楽は実は結構面白いと評価していた。その声を俺は聞いた。でも俺は「あんなものただの馬鹿騒ぎじゃねえか」と、ちゃんとその音楽に触れることなく、分析することなく、一蹴した。
さぞかし辛かったろうと思う。不満の塊だろう。アンタは親に無視され続けてきた子供みたいなもんなんだから。で、今回こうやって爆発してみせたんだろう。爆発させるまで我慢させてきた自分が情けない。本当に。
アンタは中川翔子が好きだ。じゃ、俺も好きだ。
アンタは矢口真里が好きだ。じゃ、俺も好きだ。
アンタははしのえみが好きだ。じゃ、俺も好きだ。
アンタはモーニング娘。で胸躍る。じゃ、俺も躍る。
そういえば今日、あの近所のBOOK・OFFに矢口真里の写真集が450円で売ってたね。俺はまたしてもアンタの声を無視して「はじめての心理学」を買っちゃったけど。
明日、行こう。必ず行こう。買いに行こう。矢口真里写真集を買いに行こう。
な!
力強いコメントをありがとう。
これを書くことでこれまで書いてきた文章の意味がグッと浮かび上がってくると思ったし、これを書いとかんと、これから先書く文章がどれも奥歯に物が挟まったような物言いになるような気がしたから気合いで書いたよ。
書いて良かったよ。ありがとう!
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